アカデミー賞の受賞スピーチをご覧になったことがあるでしょうか。そのスピーチでは、受賞者が映画関係者一人ひとりの名前を挙げてお礼を言うのが普通ですが、お礼の対象は、その映画の監督とプロデューサー、共演者であることが多いようです。
今年の主演女優賞はメリル・ストリープが受賞しました。受賞スピーチでストリープさんは、二人だけの名前を挙げ、しかもその方々は映画と直接の関係はありませんでした。挙げられた方々はストリープさんのご主人と、30年以上一緒に働いてきたメーキャップアーチストでした。
スピーチの後「どうしてその二人に注目したのか」と考えさせられました。その二人はストリープさんにとって、一番感謝すべき人であったからだと思います。もちろん映画の監督などは大事ですが、ストリープさんが長年女優として働くことができ、結果としてその映画で演じることができた理由は、その関係に支えられてきたからです。ご主人の支えは当然なことのように考えがちですが、当然なことであっても、感謝すべきでしょう。見方を変えると、ストリープさんが難しい業界で長年働けたのは、その二人の支援に感謝し、お二人との関係を大事にしてきたおかげでもあるのではないかと思います。
イエス様も感謝することの大切について教えたことがあります。ある日、イエス様は10人の重い皮膚病にかかっていた人を癒されました。その後、10人の中で一人しかイエス様にお礼を言いませんでした。しかも、その一人は他の9人と違って、外国人でした。「そこでイエスは言われた。『十人きよめられたのではないか。九人はどこにいるのか。神をあがめるために戻って来た者は、この外国人のほかには、だれもいないのか。』」(ルカ17:17-18)9人は神様に癒されることを当然のように考えたようで、感謝することをしませんでしたが、それは間違いでした。
私達はどうでしょうか。適切に感謝をしているでしょうか。当然と思えることをしてくれる人にも感謝しているでしょうか。あなたの家族、同僚、友達のなかで感謝すべき方がいるのではないでしょうか。また、あなたを愛してくださり、あなたの命を与えてくださった神様にもふさわしく感謝しているかどうかを考えてみてください。
(2012年 通巻 42号)
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