日本ハムファイターズ。昨年ホームゲームの入場者数は199万人を超え、テレビの視聴率も毎回20%を超えるほどの人気です。この人気の秘密はいったい何にあるのでしょうか。
ファイターズで2011年まで球団社長を務めた藤井純一氏。ドラフトで斎藤佑樹選手を抽選で引き当てた人といえば、思い出す人も多いのではないでしょうか?藤井元社長は赤字経営だった球団に多くのファンを取り込み、2007年には黒字化に成功します。当時、藤井社長率いる球団はどのような戦略で、多くのファンを獲得したのでしょうか?
藤井元社長は球団が地元のファンに愛されることによって業績を上げることを、最大の目標に掲げます。実際にはどんなことをしたのでしょう?まず、メディアについて。北海道は広大で球場に行きたいと思っても行けない人が多くいます。そこで、少しでも多くの試合をテレビで見てほしいと、テレビ局からもらう放映権料を8本までは定価、9~10本の場合は50万円引き、10本を超えると半額としたのです。これで、テレビ中継が大幅に増えました。次にチケット。さまざまなチケットがありますが、注目は働く人向けに考案された「730(ナナサンマル)チケット」(現在は715チケット)。19時半以降に売り出される半額チケットです。多くのビジネスマンは、18時の試合開始までに球場に来ることはできませんが、途中からでも半額なら・・と多くのビジネスマンが球場に足を運ぶようになりました。(「日本一のチームをつくる」藤井純一著より)
ファイターズは、ファンへ心のこもったサービスを与えることによって、多くのファンが与えられたのではないでしょうか。この事実から、筆者は、聖書のことばを思い出しました。
この「与える」ということについて、聖書はさらに進んだ意味を提示しています。「与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。」(ルカ6:38)これは、自分の敵さえも愛し、人々にあわれみ深い神の愛を模範にするようにとの言葉です。この愛を知る時に、私たちも他の人のために出来ることをさせていただくという生き方を志す者に変えられていきます。そのときに、人知を超えた神の祝福があるという約束が与えられています。
(2012年 通巻 53号)
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