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暗闇に輝く光


アルプスで遭難した人が13日ぶりに救助されました。その人は助けを求め、毎日12時間以上歩きました。しかし、遭難場所から半径6㎞の円内を歩き回っていただけでした。目を閉じて20m歩くと、中心線から4mほどずれ、100m歩くと大きな円を描くようになるそうです。これを「リング・ワンダリング(環状彷徨)」といいます(リビングライフ12月号)。これは、人の歩き方の癖などから起こるもので、目標物のない雪原や暗闇では、歩行のずれを修正できないために、発生しやすくなるそうです。

さて、新しい年を迎えて、早くも一月が過ぎようとしています。新年を迎えるにあたって、昨年の反省とともに、新しい年に向けた抱負や目標を定めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。着々と目標達成に向けて歩んでいる方もいらっしゃると思いますが、一方で必ずしも「うまくいっていない」という方もいらっしゃるかも知れません。

私たちの歩みにはそれぞれ、長い人生で培ってきた思考パターンがあります。その思考パターンが「リング・ワンダリング」の歩き方の癖のように、私たちの行く先を知らず知らずのうちに変えてしまっているのではないでしょうか。

聖書には「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。」(詩編119:105)という言葉があります。「あなたのみことば」とは神のことば、すなわち聖書のことです。

これは、聖書の言葉は、足元を安全に照らす「ともしび」であるとともに、進むべき道を示す「光」でもあるという意味です。

著名な経営学者であるピーター・F・ドラッカーはクリスチャンで、彼の経営理論の原点には聖書がありました。聖書の言葉は暗闇に輝く灯台のように、私たちの行く道を照らしてくれるのです。

この光に導かれて、少し歩んでは、軌道修正していく。そのような日々の中に、私たちが「リング・ワンダリング」から脱出できる道があるのではないでしょうか。


(2012年 通巻 34号)

 
 
 

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