歴史的な出来事である米朝首脳会談が行われました。つい最近まであんなに互いを罵倒し合っていた両国首脳が、一体どういう風の吹き回しで突然歩み寄ることになったのか。互いに下心があるに違いないと勘繰りたくもなりますが、それでも力に訴えるのではなく、話し合いで解決の糸口を見出そうとしたのは、両国にとっても、日本にとっても、そして世界全体にとっても良い流れであると思います。
人類はこれまで、争いを繰り返してきました。人類史上争いがなかった時代はありません。そして20世紀には大きな世界大戦を2度経験し、21世紀を迎えた今も、世界のどこかで絶えず争いが起き、その度に大きな犠牲が払われています。なぜ人間は愚かにも同じ過ちを繰り返すのかを考えると本当に悲しくなります。
そもそも人間は、他の動物たちと比較して、知識と経験を生かして意思疎通を図ることができる、という点で優れています。弱肉強食の自然界の中で、人間は話し合いをすることで互いに歩み寄り、互いを殺し合う事態を避けることができるはずです。
聖書の中に、「自分の敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい(マタイの福音書5章44節)」という言葉があります。自分の敵を愛することは容易なことではありませんが、それでも一方がそのような努力をし続ければ、きっと他方の心も開かれるはずです。そしてそれは、国同士のことばかりでなく、私たちの日常生活にも当てはまることです。皆さんの周りに、敵とは言わないまでも、苦手な同僚、苦手な部下、苦手な上司、苦手な取引先の人はいませんか。もしいるならば、そんな相手のことを愛する努力をしてみてはどうでしょう。そのような努力はきっと相手の心に届き、働きやすい環境が生まれるはずです。
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