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若者の力と年輩者の「しらが」


職場でこのような言葉を聞いたことがあるでしょうか。「今の若者は自己中心的で「義務」が何か分かっていない。自分の意見ばかり主張して、年輩の経験者たちの忠告を無視している。」 一方、若者たちの言い分はこうです。「どうして、上司はいつも自分の意見が正しいと思っているのか。頭が固くて、新しいやり方を考えない。」

これは技術の進歩の速さのせいとも言われていますが、実は、世代間の関係が難しいことは、昔からの問題です。次の聖書の言葉は2000年以上前に書かれました。「若い男の光栄は彼らの力。年寄りの飾りはそのしらが。」(箴言20:29)これは、世代間の関係をより良くするため、私達の考え方を正そうとしている言葉です。

若者には、「力」という長所があります。これは体力だけではなく、変化を受け入れる力、危険を冒す力や自信、新しい事をしてみる力でもあると思います。「エネルギー」と言っても良いでしょう。この力を上手に働かせると良い結果を期待することが出来ます。一方、この力を無視し、押さえつけると時に火山のように噴火する恐れがありますし、利用されないので、その力がなくなる恐れもあります。

年寄りには「しらが」という長所があります。そのしらがは年寄りが積んできた経験を意味します。その経験を知恵として上手に働かせると、良い判断をすることができます。

この「力」と「しらが」を一緒に働かせるとさらに良い結果が出るはずです。年寄りの知恵に基づく判断が若者の力を導くのは理想的ではないでしょうか。

冒頭で引用した言葉には共通点があります。自分とは違う世代の長所を欠点として扱っている点です。その結果生まれるのは相互不信で、互いに協力をする機会を逃すことになります。

あなたの職場の世代間の関係をより良くするため、何ができるでしょうか。自分が相手の長所を欠点として扱ってしまっているのではないかと考え直してみることは大切です。また、一人ひとりに賜物(人と異なる能力)を与え、互いに協力しなければならないように人間をお造りになった神様の存在に気づく良い機会になるかもしれません。そのような神様がいらっしゃるとすれば、この神様の前に、一人一人が自分の分を忠実に果たす生き方にも通じるのではないでしょうか。


(2012年 通巻 50号)


 
 
 

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