会社でよく、この事業は儲かっているのか?とか、金が儲かる新事業を考えろ!という声を聴きます。利益第一主義の考え方です。これは、利益を得る事で、会社が安定した経営ができるという考え方に基づいています。
しかし、会社が第一に考えるべきことは、果たして利益なのでしょうか?今回は世界的に業績を伸ばしている「GAFA」グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社の経営理念から、この事を考えたいと思います。
グーグルは、「グーグルが掲げる10 の事実」という、いつも見直し、事実と相違ないかチェックしているリストがあります。そのリストの1つ目が「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」というものです。グーグルは利用者の利便性を第一としています。
アップルのトップ、ティム・クック氏の意思決定は2つのシンプルなものによって支えられているそうです。それはスティーブ・ジョブズの理念に対する敬意と、ユーザーを第一とする考え方です。
フェイスブックの最高経営責任者、ザッカーバーグ氏は企業理念として、「フェイスブックは、人々にコミュニティー構築の力を与え、世界の絆を強める」と表明しています。
一番分かりやすいのは、アマゾン。その経営理念は「地球上で最もお客様を大切にする企業」です。
「GAFA」のどの社も顧客の事を第一に経営理念に掲げていることが分かります。会社や社員が最初に考えるべきことは、利益ではなく、顧客が喜び、満足することではないでしょうか?利益は、良いサービス・商品を提供したことによって、後からついてくるものだからです。そんなの当たり前、と思う方もいるかもしれませんが、顧客のことを優先していたはずの会社が、いつの間にか利益優先となって、不正に発展するケースさえあるのです。
あまりに巨大となった「GAFA」には、市場を独占し競争を妨げているとの批判もあります。今は成功している「GAFA」も初心を忘れるとやがてはその地位を失う可能性もあるのではないでしょうか。聖書には、このようなことばがあります。
「だれでも、自分の利益を求めず、ほかの人の利益を求めなさい。」(Ⅰコリント人10:24)
会社、社員が最初に考えるべきことをもう一度見直してみてはいかがでしょうか?
#(2019年 通巻342号)
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