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「初心者は高慢になりやすい?」


 毎年、筆者の会社にも新入社員が数名入りますが、いつも新入社員に対して思うことがあります。それは、よく言うと元気があって積極的なのですが、悪く言うとちょっと高慢になっているな、という事です。社に入って最初は簡単な仕事からやってもらうのですが、直ぐに「もっと上の仕事がしたい」とか「あの人の考え方は違う、こうすべきだ」・・こんな発言をするようになります。こちらからすると、入ったばかりであまり分かっていないのに、よく言うなと思いますが。

 そして、ある程度の期間が過ぎて、経験を積むまで、この傾向が続きます。でもこの期間を過ぎると、高慢さは薄れ、チームの一員として良い働きをしてくれます。

 面白い事に、少し前に入った先輩が、新入社員の発言や行動に対して、(少し高慢な事に)「あいつはどうしてこうなんだ」と文句を言うのです。でも、私が「君も入社した時同じだったよね」と言うと、ちょっと考えて・・「そうでした」と答えるのですね。こんなことを言う私も・・入社した時は、全く同じで、先輩からよく怒られていましたが。

 この初心者が陥りがちな失敗は、実際に研究されていて、「ダニング・クルーガー効果」(1999年 コーネル大学David Dunning、Justin Kruger)として発表されています。ほとんどの初心者は、経験を積んでいないことから、自分の能力を誤って過大に評価してしまうのだそうです。

 この初心者の傾向は、新入社員に限ったことではありません。初心者ドライバーの事故率が高いこともその一例と言われています。日本では、全運転者に比べ免許を取得して1年以内の初心者の事故率は1.7倍だそうです。どの分野でも初心者は、自分を過大評価し、高慢になるようです。

 この自己の過大評価、高慢さを防ぐ方法は、他の人の意見をよく聞くことです。客観的な情報で自分の能力を理解できれば、高慢な態度から早く脱却できるはずです。聖書には、このようなことばがあります。

 「高慢は破滅に先立ち、高ぶった霊は挫折に先立つ。」(箴言16:18)

 何ごとにも、初心者は高慢、たかぶりには注意が必要ですね。


(2022年 通巻436号)

 

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