仕事に失敗はつきものです。私は、まだ30代だった頃、公共法人担当の営業部門に勤務していました。当時の上司の口癖は「一度失敗した奴はだめだ。また繰り返すから」でした。
それを聞いて私は「やはりそうか。プロのスポーツ選手なんかも失敗すると悪いイメージをひきずったりするからなあ。失敗はできないよなあ。。。怖いなあ。」そう思っていました。
でも、今はそうは思いません。仕事でも人間関係でも、失敗したら、何故失敗したのかを反省して、同じことを繰り返さないようにするだけではないでしょうか。還暦が近い今、人生は同じことが続くことはないと思えます。私たちの人生は失敗から学び成長できると思うのです。
ちなみに、落ち込んで気分転換できないときは、私は、①睡眠を沢山とる、②信頼できる人に相談する、③有酸素運動(ウオーキングなど)をする、④筋力トレーニングをするなどで対処します。また、クリスチャンですから当然神に祈ります。(祈りは劇的に状況を変えてくれることもあります。)
聖書には次の言葉があります。
"兄弟たち。私は、自分がすでに捕らえたなどとは考えてはいません。ただ一つのこと、すなわち、うしろのものを忘れ、前のものに向かって身を伸ばし、キリスト・イエスにあって神が上に召してくださるという、その賞をいただくために、目標を目指して走っているのです。"(ピリピ人への手紙3章13節―14節)
これはパウロというキリスト教の使徒がピリピという地域にある教会にあてて書いた手紙の一節です。キリストの大使徒パウロでさえ、「捕らえた」とは考えていなかったようです。言い換えると、パウロ自身、完全なクリスチャンとなったとは考えていなかったのです。後ろのもの、すなわち過去にこだわらずに、神に救われ永遠の生命を得たクリスチャンとして、ふさわしい完成を目指して今も走っているのだ、そう言っているのです。
私たちにとって過去は過ぎ去ったものです。失敗したことがない人も、後悔のない人もいないのではないでしょうか。
今日に生きる私たちも、パウロのように前を向いて歩みたいと思います。
(2023年 通巻445号)
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