「初めにことばがあった」
- Masato Ujiie
- 9月27日
- 読了時間: 2分
この8月、NHK 連続ドラマ「舟を編む~私、辞書つくります」全 10 話を見終
えました。言葉を編集し、一冊の辞書に情熱と心血を注ぐ、作り手たちの奮闘
物語です。言葉の大切さを再認識させられました。2012 年に本屋大賞を取っ
た、三浦しをん氏の原作本(光文社文庫)も読みました。原作本の終わりで、辞
書を完成した主人公がこのように語ります。「俺たちは舟を編んだ。太古から未
来へ綿々とつながるひとの魂を乗せ、豊穣なる言葉の大海をゆく舟を。」
2013 年には映画化され、日本アカデミー賞を受賞しています。その映画の
中には「はじめに、ことばありき」というセリフが出てきます。実はこれは、新約聖
書の一節に由来する言葉なのです。
~初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。~
(ヨハネの福音書 1 章 1 節)*
ここでの「ことば」は、平仮名で記されています。この後に「ことばは人となっ
て、私たちの間に住まわれた」と記されており、イエス・キリストのことを指してい
ることが分かります。人となった「ことば」=イエスは、イスラエルの一地方で神
の言葉を語り、行いによって神の愛を示しました。十字架で死に、3 日目によみ
がえりました。
聖書は 40 人ほどの多様な記者が神の言葉を記録に残し、長い年月をかけ
て成立しました。総編集者がいるような、全体として調和した一冊の書物に成
り、イエス・キリストに集約していきます。辞書が言葉の大海を渡る舟にたとえら
れたように、聖書は人生という旅路を導くガイドブックにたとえられます。長い歴
史の中で多くの人々が聖書を通してイエスに出会い、その人生が変革されて
いきました。
ホープ・フォー・ビジネスのパンフレットは、この号で 500 号を迎えました。
2011 年発行の第1号には「次の言葉を考えてみましょう」という問いかけととも
に、聖書の言葉が記されていました。そこから 500 号に至るまで、聖書の言葉
を紡ぎ続けてきたのです。これからもどうぞ聖書の「ことば」に親しみ、人生の変
革を体験していただければと願っています。
*聖書 新改訳 2017©2017 新日本聖書刊行会
(2025 年 通巻 500 号)
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