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「基本の基に立ち返るpart3-ホウ・レン・ソウ」


 社員研修で必ずと言っていいほど取り扱われる3つのことに「ホウ・レン・ソウ」があります。どんな業務であっても報告、連絡、そして相談を怠らない。そのことが仕事を円滑に進め、危機的状況から個人だけでなく職場全体をも守っていくというものです。筆者も入社してすぐの研修で何度も念を押して教えられたものでした。しかし、いざ現場に出てみると「このくらいなら報告しなくても大丈夫だろう」との安易な自分の判断だけで動いてしまい、予期せぬ事態を招いては上司や周りに迷惑をかけるといった失敗を繰り返してきました。そのたびに、この3つのことの重要性を痛感させられています。

 「ホウ・レン・ソウ」を怠ってしまう要因にはいくつかのことが考えられますが、自分の失敗を隠そうとする私たちの弱さはその一つと言えるでしょう。「他の人は知らないから大丈夫」「気づかれていないから放っておく」そういった思いが頭をよぎり、上司や責任者に相談することをやめ、報告の機会も失してしまうのです。

 何千年も前に記された聖書の一説にはこのような言葉があります。

 「自分の背きを隠す者は成功しない。告白して捨てる者はあわれみを受ける。」

 (箴言28章13節)

 この箇所は特に自分が犯した罪という過ちについて教えられている一節ですが、私たちには物事を隠す性質があります。そしてこの言葉にあるように、隠す者に待っているのは決して成功ではありません。隠していたことが明らかになる時、早くに相談していれば大事にならずに済んだことでも、取り返しのつかない大失態へと至ってしまうのです。しかし自らの失敗や過ちでさえも告白して明らかにする人は、あわれみという助けがあることを聖書は教えていきます。

 以前職場で「ホウ・レン・ソウ」を教えられたときに言われた上司の言葉がとても心に残っています。「失敗してもいい。でも報告、連絡、相談を忘れないでほしい。そうでないと何かあった時にあなたを助けられない」

 助けられやすい職場を作ろうとしている上司からのアドバイスにとても励まされました。報告、連絡、相談は基本的なことですが、自分を守ろうと事を隠してしまうことは時代が変わっても同じように誰もが経験していることです。相談しやすい職場を作っていくことも重要でしょう。基本に立ち返りながら働く姿勢を整えていきたいものです。


(2022年 通巻427号)


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