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スター・ウォーズのヒットは専門家も予想できなかった?

1977年の公開の映画「スター・ウォーズ」。昨年のエピソード8の公開でシリーズは8作品を数え、最初の公開から40年が経っていますが、その人気は衰えることがありません。しかし、「スター・ウォーズ」がこれほど人気となることは、1977年の公開当時、専門家ですら全く予想できなかったようです。


監督ジョージ・ルーカスは「スター・ウォーズ」の製作に入る前、製作費を出資してくれる映画会社を探していました。「スター・ウォーズ」ほどの映画なので、どんな映画会社でもすぐにOKしてくれるのでは・・・と思うかもしれませんが、実際にはユナイテッド・アーティスツとユニバーサルの2社にあっさり断られます。そして、覚悟を決めて20世紀フォックス社に出資を求めるのです。同社のプロデューサー、ラッドはルーカスの情熱に心打たれ、ついに出資を決めました。そして、ようやく「スター・ウォーズ」の製作に取り掛かることができたのです。


映画が完成した後も、専門家の評判は良くないものでした。公開前、20世紀フォック社の上層部は「スター・ウォーズ」は失敗作と考え、その損害を抑える手立てを考えていたほどです。悪い噂は業界を駆け抜け、1977年5月25日の公開初日は、たった32の映画館でしか上映されませんでした。映画館側も問題作の上映を拒否したのです。


しかし、観客の反応は違っていました。映画館では、初日から長蛇の列をなし、公開映画館も6月に450館、8月には900館まで増え、興行収入はあっという間に1億ドルを超えたのです。ルーカスは観客が求めている映画とは何か?観客が喜ぶ映画は何か?を真剣に考え、自分の立てた仮説を作品のヒットで見事に実証したのです。


ルーカスが21歳の時に初めて製作した映画「ルック・アット・ライフ」の最後には、聖書の箴言10:12を読む声が流れます。


「憎しみは争いを引き起こし、愛はすべての背きをおおう。」(箴言10:12)


ルーカスが、様々な困難も直面しても、周りを非難したり憎むのではなく、観客が喜ぶ映画を製作したいという強い思いによって、多くの人に受け入れられる映画を製作できたのではないでしょうか。


(参考文献 清水節,柴尾英令.スター・ウォーズ学. 新潮新書,2015,181p)


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