今回も星野富弘さんの詩を紹介します。
道の割れ目で 蟻とすみれが暮らしている
蟻と花でさえ 助け合えるのに
同じ人間 どうしてきりもなく
戦争するのだろう
昨今、マスメディアにおいては毎日「憲法」についての議論がなされています。日本はどこに向かって歩んでいるのでしょう。人生の先輩が語る次のことばを心に留めたいと思います。「歴史は繰り返す、と言われる。私たちが歴史を学ぶのは、そこから教訓を得て、今の状況はこれからどのように動いていくのか、何をするのが、あるいはしないのかが最善なのかを知るためである。歴史に無知な者は、未来にも無知なまま突入することになる。すなわち、過去と同じ愚かさを繰り返すことになる。」
旧約聖書には神から遣わされた真の預言者と、時の権力者におもねる偽預言者の存在が数多く記されています。そして偽預言者が権力者や時の人々に、もてはやされたのです。現代においても同じことが言えます。私たちはどのようにしてその真偽を見分けたらよいのでしょう。
茨城県の細川勝利牧師が、本年5月24日朝日新聞に投稿された文章に目がとまりました。「広島でサミットを開催するべきだ」というタイトルでした。広島は、来年サミット開催地になりませんでしたが、先生は訴えています。「しかし、どのような形であっても世界の指導者は被爆地を訪問し、原爆投下の悲惨さに直面するべきだ。とりわけ米国の大統領が多くの死者を出した被爆地を自分の目で見つめることは大きな意味がある。」戦争の歴史の真の事実に直面することが、今、最も必要なことであると訴えています。
聖書には 「あなたの敵を愛しなさい。あなたを憎む者に善を行いなさい。」とのイエス様のことばがあります。憎しみを捨てることを教えておられるのです。それは人と人との間だけではなく、国と国との間でもそのようにしなさいということです。それを身につけることや、真偽を見分ける力は、どのようにして獲得できるのでしょう。聖書の中にその答えを見出す人は幸いです。
「聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。」(Ⅱテモテ3:16)
(2015年 通巻196号)
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