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「真実と真理を大切に」


最近の朝日新聞に、この春から、インターネット上の偽ニュース対策に取り組む協議会が設立されるという記事が載りました。米大統領選の際、「ローマ法王がトランプ氏を支持した」とか、日本国内のホームページでも、専門的知識に基づかない医療情報が報道されたなどの出来事が、そのきっかけになったようです。インターネットの時代になって久しい現代、こういった「偽ニュース」が多くの人の目に留まり、瞬く間に拡散していく危険がありますが、この問題自体は今に始まった事ではありません。

例えば、1782年のパリで、アメリカ合衆国建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンが、以前、新聞の発行人だった経験を利用して、当時のボストンの新聞であった「インディペンデント・クロニクル」の別刷り付録の偽版を印刷しました。それは、「アメリカ独立戦争において、イギリス側について戦っていたアメリカ先住民が、アメリカの開拓者に対して虐待を行った」という内容で、フランクリン自身が書いた記事でした。この偽新聞がアメリカに送れられて、真実として他の新聞に掲載されました。まさに「偽ニュース」の拡散です。

聖書には、次のような言葉があります。「支配者が偽りのことばに聞き入るなら、従者たちもみな悪者になる。」(箴言29:12)

フランクリンのような偉い人でも、自分が大切と思っている目的のために、嘘をつくことがあります。けれども、このような嘘がはびこると、人々は何が真実なのか、何に頼るべきか、どう判断すれば良いのかが分からなくなり、苦慮します。そして結局、真実に価値を見出せず、自分の目的のためにも嘘をついて、物事が更に悪化していきます。都合の良い言葉だけに耳を傾ける上司の下で働く部下は、苦労すると思います。

「偽ニュース」が多い時代に、私たちは何ができるでしょうか。健全な懐疑心をもって真実を大切にし、自分の発言ができるだけ真実であるように、同時に、自分の周りでも、たとえそれが 自分にとって都合の良くない内容であっても、相手に真実を語れるような雰囲気を作るよう心掛けたいものです。

また、「私は真理であり、真理はあなたを自由にする」と語ったイエス様を覚え、真理であるイエス様を知り、求めていくことをお勧めします。

                              

(2017年 通巻267号)


 
 
 

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